金銭的に余裕ができたら

金銭的にゆとりができたら、それを自分たちの人生のために使うことを考えればよいのである。

せっかく買った家だ、唯一の財産を手離したくないと思う人もいるだろう。

子どもたちの将来のために、是非残しておきたいと思う人もいるに違いない。

けれども、子どもたちに物を残しても意味はない。

かえって、それが争いの種となることも多いのだ。

人はこの世に裸で生まれ、裸で死んでいく。

そして、この世で得たものは、死ぬまでにこの世に還元するのが人間として理想なのだ。

もし、後世に残すのだったら、人間としてのすばらしい心を持つ教育と徳分を残すべきだ。

子どもたちは、父母、あるいは、もっと遠いご先祖様の徳分と才能を受け継ぎ、それをただひとつの財産として、自分の人生を築き上げなければならないのである。

もし、親が財産を残せば、子は、それを頼りにする。やたら浪費するか、執着するか、いずれにしろ、自分の人生を自分の手で切り拓く努力を怠ってしまう人間になってしまうものだ。

それに対して、親は親としての人生を見事に完結させる。

人生の楽しさや醍醐味とは何たるかを示してやることができれば、子は、それをひとつの目標にして、自分の生き方の設計図としていけるのである。

T.F.氏作品より